数年前からなぜか竹竿に凝り始め、随分入れ込むようになってしまった。
竹竿の性能が素晴らしいとかいうのではなく、ただひたすら、味わいが気に入っている。ぼくはおもうのだけれど、竿としての性能だけをみたら、やっぱりカーボンロッドが優れているに違いない。(和竿師のみなさん、独断でこんなことを書いてごめんなさい)
しかし、竹竿には味わいがある。趣味という世界において、味わいは大きな要素といえるのではないか。
特に、ぼくなどは、最新タックルを手に釣り場へ行くと、釣果ばかりを取り沙汰されやすい。たまにはのんびり、ゆったり、1尾1尾と対峙しながら時を過ごしたいのであるが、それがなかなか難しいのである。
そこで、竹竿を手に釣り場へ行くと、何となく、気負いのない村越正海が周囲にも分かるらしく、必死にやらなくてもよくなる。
そんなありがたい雰囲気を作り出してくれる竹竿を、すっかり気に入ってしまった。
釣り場で、竹竿を手に釣りをしているぼくを見かけたら、「ああ、今日はノンビリやっているんだなぁ」とご理解いただきたい。
もちろん、最新タックルでノンビリやっているときもある。
まあ、そんな感じで竹竿に凝っているのである。