今日は朝から雨。
海岸へ出てみると、波は穏やかです。
北寄りの風が吹いているのでしょうが、西湘界隈の海岸では陸からの風となり、海はベタナギとなってしまうというわけです。
予報が悪く、おまけに雨ということもあるのでしょう、日曜日だというのに海岸の釣り人はまばら。
沖合には、シロギス船が何艘も浮いていました。船頭さんの「上げてー」「ドウゾー」というアナウンスがはっきり聞こえるぐらいの近さです。
投げ釣りでは悪戦苦闘のシロギスも、船からならだれにでもたやすく釣れてしまうのだから、分からないものです。
散歩の途中で多くの花を目にしますが、今日の花たちは、雨に濡れていました。
(写真ではちょっと分かりづらいとおもいます)
以前、土砂降り雨の中、とある有名な写真家と渓流へ行った際、あまりの雨に、「こんな大雨で大丈夫ですか?」と尋ねたところ、「えっ、雨だと釣れませんか?」と反対に聞き返されてしまったことがありました。
「いえ、釣りはむしろ雨の方がよく釣れるのですが、写真がどうかなぁとおもって」と答えると、
「じゃあやりましょう。写真は全く問題ありません。ぼくはむしろ雨が大好きです」と返した。
「でも、カメラが濡れちゃいますよねぇ」
「カメラは濡れちゃうけど、フィルムは濡れないし、例え雨でカメラが壊れたとしても、フィルムに写った写真はなくなりません」
「なるほど」
「それに、渓流を取り巻く緑が乾ききっていては美しくない。雨に濡れた緑の葉や苔の方が美しいとおもいませんか」
ぼくは再び「なるほど」と、心底感心して答えたのだった。
以来ぼくも、雨の日の景色や写真が好きになった。
そして、「雨の日もいいものです」と心から言えるようになった。