ぼくがまだ大学生だった頃、集英社に勤める知り合いの編集者が、「なんだか飲み歩いてばかりいたらだんだん仕事が減ってきちゃってさぁ、最近になって精力的に仕事をするようにし始めたら、ようやく仕事量が以前並みに増えてきてホッとしているところなんだよね」と言っていたのを克明に覚えている。
別段飲み歩いてばかりいたわけではないのだが、このところ、意識して取材や原稿書きの仕事をたくさんするようにしていたら、なんだか次々と仕事の話が舞い込んできて、気づいたらスケジュール帳に空欄のない日々をおくるようになっていた。
……知り合いの編集者が言っていたのは、このことだったのか……。
しかし、そのタイトなスケジュールを辛いと感じたことはない。
むしろ、感謝すべきこと、と捉えている。
午前1時や2時に家を出発し、日中の暑い時間帯を洋上や海辺で過ごし、暗くなったら撤収して家に帰る……。
このところ、そんな生活が続いているのだが、不思議と疲れは感じない。
仕事、とはいっても、ぼくの場合は好きなことをやっているだけ、だからなのだろう。
今日は久しぶりに家にこもって、原稿書きをしている。
それもまた、苦にならない。
書く事も好きなのだ。
ともあれ、仕事も遊びも、常に全力疾走であり続けたい。