<夏の夕方の芦ノ湖>
暑さに辟易した真夏の夕方、夕涼みを兼ねて、芦ノ湖へ出掛けることが多い。
ぼくの住む小田原から芦ノ湖の湖畔までわずか25分。そんな地理的要因も大いにある。
が、何より嬉しいのは、気温が4~5℃も低く、おまけに湿度が低いこと。
静かな湖畔に立ち込みルアーをキャストしていると、爽やかな冷気が身体を包み込む。
うだるような暑さから、ひと時とはいえ確実に逃れられる。いや、逃れるためについつい芦ノ湖へ通ってしまうのである。
夏の夕暮れのターゲットは、ブラックバス。
芦ノ湖ではソフトルアーの使用が禁じられているため、ハードルアーのみの釣りとなるが、それがまたよい。
ぼくはもっぱらトップウォータープラグばかりを使用している。
TDペンシル、レッドペッパー、ザラスプーク、セミのイミテーション、ポッパー各種、等など。
使用するタックルも、硬めのベイトと決めている。
当然、釣れることもあれば釣れないこともある。
だがしかし、トップウォータープラグの釣りに徹していることが心地よい。
ベイトタックルにこだわることも、充実感を倍加させる。
釣れる釣れないにこだわるよりも、釣り方やタックルにこだわるのがぼくのやり方。
トップウォータープラグに、ブラックバスがドバンと飛び出すシーンを即座に想像することができるだろうか。バスフィッシングとは、本来そういう釣りではなかったか。
夕涼みという目的に加え、心地よい空気が大らかな発想をもたらしてくれるのだろう。
今年もいよいよ暑くなり始めた。
そろそろ、ぼくの芦ノ湖通いが始まる。
(初出:2010年7月)