今日は、南南西の強風が吹き荒れた。
こうなると、真鶴半島先端の三ツ石などはさぞかし厳しい状況になっているに違いない。
そう予想し、午後2時過ぎの干潮時刻を狙って出掛け、上げの一時だけでもルアーをキャストしてこようと出掛けた。
狙いはヒラスズキであるが、ヒラスズキを釣りたいがゆえの釣行ではない。
どちらかといえば、修行釣行。時には耐えきれないほどの風の中での釣りを体験しておかなければ、イザというときに釣りにならなくなってしまうのである。
予想したのは、風速15メートル以上の風と、3メートル級のうねり。
ところが……。
三ツ石は予想以上のナギ。
風も弱い。
ナンダコリャ。それでも一応、タックルを持って、三ツ石まで歩く。
先端部周辺には、一応サラシが広がっていた。
おそらく、すでに何人ものルアーフィッシャーマンがルアーをキャストしまくってであろうから、普通に攻めてもヒラスズキが飛び出すことはないだろう。
一般的なルアーフィッシャーマンが風の中で使用するのは、ウエイトの重いフローティングミノー。
風の中でも比較的容易くキャストができるからだ。
先行者が帰った後に攻める場合、ぼくが使用するのは軽いフローティングミノーか小型のペンシル。
何とかの一つ覚えといわれるほど『ショアラインシャイナーR50』と『TDペンシル』を多用しているのは、ウエイトの軽さが、ヒラスズキを引き出す魔力を秘めているからだ。
『TDペンシル』でサラシをしばらく攻め続けていると、案の定、バシャッと飛び出した。
サイズは、50センチ程度。
フッキングこそしなかったが、読み通りに飛び出してくれただけでぼくは満足だった。
当初の目的の修行こそできなかったが、代わりに、軽いルアーの威力を再確認することができた。
もう少し大きなヒラスズキだったら、フッキングしていたに違いない。
ところで、この光景は悲しい。
上物釣りの残骸。
水汲みバッカンでザザーッと流して帰るのがマナーなのです。
明日と明後日は、穏やかになるだろう。