土曜日の夜、ルアー雑誌の取材を兼ね、クラブの月例会で狩野川へ出掛けた。狙うはシーバス。狩野川へはもう35年以上も通っている。勝手知ったる釣り場だ。
夕方、河口部へ入ってみると、すでに5、6人のルアーマンがウェーディングして盛んにキャストを繰り返している。10分ほど並んでやってみるが、良い流れに入れないため、早々に移動を決定。
上流部の瀬を狙ってみることにした。護岸から流れをチェックしていると、目の前の流心部で「ゴボッ」と水しぶきを跳ね上げるボイルがあったので、すかさずミノーをキャスト。リトリーブを開始するといきなりヒット。間違いなく、ボイルしたシーバスだ。が、1分ほどのファイトでまさかのフックアウト。
その後周囲をウロウロしながら釣り歩くも、気配なし。同じ場所へ戻り、粘り続けていたメンバーに話を聞くと時折ガバッとボイルがあるという。
そこで、下流側に入り、12センチのフローティングミノーをキャストしてみると、1投でヒット。
疾走、エラアライを繰り返すファイターで、フィッシュホルダーでのランディングに少々手間取ってしまった。
近年、シーバスのランディングに、大きなネットを使う人が増えているようだが、岸壁など、引き寄せたシーバスに手が届かない釣り場以外でのネットの使用をぼくは避けている。
出来るだけ細いラインで釣りたいのと同様、シーバスとは出来るだけ対等の勝負をしたいと常々考えているからだ。もちろん、それはぼく個人の単なるこだわりであり、ネットの使用を否定するわけではないので念のため。
その後もボイルは続いたが、ヒットには至らない。後続のまいまま終了時刻となった。
結局、例会で釣れたシーバスはその1尾のみ。サイズは、雑誌の取材も兼ねているので、70センチオーバーという程度にとどめておく。
コンディションとしては、金曜に雨が降り、ささ濁りとなったものの、土曜の夕方には濁りが薄くなり、夜半にはすっかり澄んだ流れとなってしまった。狩野川で好釣果が得られるのは、降雨により川水が濁った時。まっ茶色の流れでも、シーバスの活性は高まることはあれ、釣れなくなることは決してない。
雨が降ったら川か河口へ、はシーバスフィッシングの常識なのである。